雪花火

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレが開催されている越後妻有地域、十日町のベルナティオで毎年開催されていた「越後妻有雪花火」。
例年、2月末~3月頭の土日のどこか1日に開催されて、都内からは何時間かかるんだろうという雪深い山奥の高原で、
花火が打ち上がるのは、わずか十数分の間だというのに、この十数分のために大勢の人が集まり、またそこまでしてわざわざ訪れるだけの価値があるものだ、と雪原に打ち上がる花火を見ては毎年思わされてしまう。

コロナ禍となった2020年からは中止とされ、2021年は県民限定開催、2023年は開催はないようです。
雪深い山奥の田舎、ということを考えると、まだまだ多くの人が集うには難しいのかもしれません。

来年こそは完全再開を願って、過去の開催の様子を紹介しておきます。

新潟県十日町市と津南町一帯を越後妻有地域と呼び、3年に1度、東京23区ほどの広さ一帯を使った芸術祭、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開催されています。
広さこそ東京23区に匹敵しますが、人口密度、建物の数(もちろん高層建物は存在せず)は全く違い、
どこまで行っても山、里山という風景。その大自然にある渓谷や棚田の風景がとて美しく。その風景を贅沢にも舞台とした芸術祭はファンが多く、会期中は全国から大勢の人が訪れています。(コロナ禍では限定開催などもありました)
そんな芸術祭が長期にわたり開催されている地ということもあり、地域のアートに対する理解は高く、芸術祭が開かれていない期間に訪れても、地域とアートに触れることができ、また夏は緑輝く野山と棚田、冬は世界中でも人が住む集落でここまで雪が積もることは珍しいと言われる一面の雪景色が見られることから、四季折々の景色を1年中楽しむことができます。

雪深い山奥の冬の名物の1つが、「越後妻有雪花火」。

元は、アーティストの高橋匡太氏が雪と光のインスタレーションを「Gift for Frozen Village」という作品として、冬のある一日に開催していたものを、2014年に十日町のナカゴグリーンパークに場所を移し、「第一回越後妻有雪花火」「Gift for Frozen Village 2014」として開催。それから毎年開催され、2017年からは、あてま高原ベルナティオ( 新潟県十日町市珠川)というリゾート施設に場所を移して開催しています。(2020年からコロナを理由に開催停止はたは限定開催中)

花火は、ただの一面の雪の上に打ち上がるのではなく、
一面の雪に埋められた多くのカラフルな光源が、夕暮れにかけて存在感を増し始めて、日没後は美しい光の花畑へと変わります。この光の花畑の上に打ち上がるのが雪花火。

雪一面に埋められた光源

ボランティアの方が、小さなカラフルな発光ダイオードのようなものをワークショップで埋めているものです。花火を待つ間、暗くなるにつれてより光が強くなっていく様子を見ているのもとても楽しいです。

雪の花畑

遠くから一面を見渡すと本当に光の花畑のよう。

2017年の開催
足下には光が埋めてあり道を照らしています
2019年の開催の様子
全国各地から集まる人たち

毎年、この花火を見るために、東京から電車を乗り継ぎ、バスに乗り換え、片道3時間。寒さに震えながら山奥へ向かっていました。それくらいに美しい風景。再開された際にはまたぜひ訪れたいです。

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