栃木県足尾町(現在は日光市)にある、足尾交番。
わたらせ渓谷鉄道に乗って、足尾銅山観光へ立ち寄るとその近くを通ります。
数年前に、この周辺を散策していた時、
交番を見かけてお手洗いの場所を訪ねて、親切なお巡りさんに「良ければ交番のものを使ってください」と、
交番のお手洗いをお借りしました。
その時に、交番にしてはかなり大きな建物だなと思って、「ずいぶん大きな交番なんですね」とお伝えしたところ、
「以前は警察署だったんですよ。その時は『日本一小さな警察署』と言われていたのですが、人口が減って交番になって、そしたら今度は大きな交番になりました」という話を伺いました。
日本一小さな警察署から、大きな交番へ。
何かの大逆転劇のような面白い話だなと思い、少し調べてみると。
この足尾交番は1877年に分署として設置。1907 年に、足尾銅山の坑夫たちが待遇の改善を求めて暴動を起こしたときに警察署に昇格。当時の署員は55名ほどで(足尾町民は約35,000名)、主に労働争議の対策に当たっていたそうです。
1973年に足尾銅山が閉山すると、足尾警察署も規模を縮小し、署長以下、署員が10名以下の「日本一小さな交番」に。
2006年に足尾町が日光市に合併し、警察署も合併。警察署から交番に。(当時の足尾町の人口は約3,000人で銅山があった頃の10分の1。)
警察署の建物をそのまま交番としたため、交番としてはかなり大きなものになったそうです。
ちなみに、足尾警察署が合併してなくなったことにより、「日本一小さな警察署」は、小笠原諸島の「小笠原警察署」に。
こちらも署員10名程度。
小さな町の、交番にもいろいろ歴史があるものですね。
お巡りさん、その節はお手洗いを貸してくださり、ありがとうございました。
普段目にする「交番」に比べると本当に大きい。