長野県松本市、浅間温泉にある宿、松本十帖・松本本箱。
浅間温泉は1300年(!)の歴史があるとされる温泉街。
日本書紀に登場する?とも言われる、かなり由緒ある温泉地。
共同浴場の文化があり、温泉街を中心とする街の様子は、昭和の時代にタイムスリップしたようなレトロな町並みとなっています。
その、浅間温泉に2022年にオープンした松本十帖。
里山十帖や箱根本箱で知られる自遊人が、
貞享3年(1686年)創業の歴史を持つ老舗旅館「小柳」をリノベーションしたプロジェクト。
2023年10月に松本十帖・松本本箱に宿泊しました。
アクセスは、電車を利用するなら松本駅からタクシーで15分ほど。
わたしは、群馬県から向かったので車での往復でした。
浅間温泉の近辺徒歩散策だけでも、1泊~2泊十分に楽しめそうですが、
付近の観光も視野に入れるなら自家用車orレンタカーなど、車でのアクセスが便利です。
★おやきとコーヒーでのレセプション
宿泊のレセプションとチェックインは、街を楽しんでいたくという趣旨から、宿から徒歩5分ほどのところにある古民家カフェ、おやきとコーヒーにて。
おやきとコーヒーを頂き、宿の案内や、街の楽しみ方、見どころを説明して頂きました。
宿泊した日は、偶然にも「たいまつ祭り」という、松明が町中を練り歩くという恐ろしい祭りが開催されるということで見学してみることに。
昭和の温泉街のようで、味がありました。
★松本十帖 ブックホテル「松本本箱」
エントランスの奥がレストラン。レストランにもエントランスにも本棚があり、さすがはブックホテル。
ホテルの中全てが図書館のようなつくりです。
★ブックストア「松本本箱」
ブックストア「松本本箱」は宿に併設されたブックストア&読書スペース。宿泊者は24時間、好きな時に利用でき、深夜でも早朝でも、好きな場所で本の世界に没頭することができます。
宿泊者以外も、12:00-17:00の間であれば、事前予約で利用することが可能です。
本を読むための椅子やスペースが至る所にあります。
本棚の中のスペースは、泊まれる本屋BOOK AND BED TOKYOを思い出させる雰囲気。
本棚はテーマごとに選書されていて、自由に読んでいいので、可能なら2泊以上の滞在で、まる1日以上は読書に没頭する時間にあてるのが、贅沢で正解な過ごし方かと思います。
★オトナ本箱(ブックバス)
老舗旅館の浴場をリノベーションして作った読書の部屋。「本に溺れる」と言う意味も込めているそうで、寝転がって本を読んでも、浴槽に座って本を読んでも、自分の好きなように読書に浸れる場所となっています。
天井が鏡になっていて、かなり広く見え、写真映えもなかなかです。
浴場だったため、浴槽がそのまま活用されています。
浴場をリノベーションしたため、洗い場の蛇口が。
まさかお湯出てきたらどうしよう…と一瞬心配しますが、大丈夫です。出ません。笑
浴場の脱衣所も本棚&読書スペースに。
★こども本箱(ブックプール)
絵本がなんと2000冊。低い迷路のような空間になっていて、気をつけないと大人は頭をぶつけます。笑
★客室エリア
客室フロアの廊下にも本棚が設置されているのと、ご自由にどうぞ、とドリンクやクッキー、アイスなどが設置してありました。嬉しいおもてなし。
★客室
2週間前の予約だったため、空いている部屋の選択肢が2つくらいでしたが、その中で選択したのは露天風呂付きデザイナーズツインという部屋。本を読むためのスペースがしっかりあって、部屋に籠もって読書をしたい方にはおすすめです。
★共同浴場「小柳の湯」
松本十帖のある浅間温泉には、「共同浴場」という文化があり、いくつもの共同浴場が地域内に存在しています。
その共同浴場ごとに会員がいて、会員同士で鍵を持ち、会員のみ入れるというもの。
少ないですが観光客が入れる浴場もあり、この「小柳の湯」は松本十帖の宿泊客が共同浴場文化を楽しむための浴場で、ホテルの外に設置されていて、ホテルのルームキーで入場ができるようになっています。
部屋に置かれた風呂桶とバスタオルを持ってここにはいる、という仕組み。
風呂からは中庭が見えて、とてもいい湯でした。
★薪火グリルダイニング367/ディナー
松本本箱のレストラン薪火グリルダイニング367。
365日+文化と歴史(+2)で367。かつ、信濃川・千曲川の総延長が367km。
素材を楽しむ、と言うコンセプトなので、メニュー表に記載されているのは、
料理名じゃなく素材名。
フィレステーキやフォアグラ…といった、高級料理ではなく、
アルプスや安曇野、信州、千曲川、信濃川、地の素材を活かした質素だけどとても丁寧な食事。
ローカルガストロノミーというらしい。
この日頂いたのは、
白樺の樹液、ホオズキ、甘長唐辛子、松本一本葱、無花果、鴨、信州きのこ、佐久鯉、信州産小麦、安曇野放牧豚、りんりん米、氷餅、花豆
など。
満室だったはずですが、館内で他の宿泊客と顔を合わせることは意外と少なく、
レストランにて初めて他の宿泊客の様子が分かりましたが、
意外だったのは欧米からの旅行客が半数くらいだったこと。
アクセスも抜群にいいわけではないのに、長野の山奥にわざわざ足を運んでくるんだな、と感心しました。
書かれているのは産地と素材名のみ。
樹液を飲んだのは初めてでしたが、乳酸菌飲料のような不思議な味でした。
長野県の佐久地方では鯉を食べる文化があります。
ドリンクは、自由オーダーの他に、料理とのペアリングがあり、アルコールとノンアルコールとで選べます。
わたしは、ノンアルコールのペアリングを選んだのですが、
素材や、ドリンクの製法を丁寧に説明してくれるのですが、不思議な味のものが多く(笑)
ハーブなのか石けん水(ではないと思いますが…)なのか、不思議な味のお茶なのか水なのか…
もちろん、説明を聞きながら様々な種類のハーブ水(?)を楽しむのもありだと思いますが、
普通に信州産のジュース(林檎やブドウがあります)などの方が口に合う方は、アラルとで好きなソフトドリンクを選んでいく方がいいかもしれません。
★朝食
朝食も夕食とおなじように、レストラン367にて。
おすすめは、2泊以上の滞在でのんびり読書をすることでしょうか。
松本十帖には、松本小柳と松本本箱の2タイプのホテルがありますが、読書好きに勧めたいのは松本本箱。
1泊はホテルのディナーで、2泊目は浅間温泉の街中へ食事に出かけてもよさそうです。
松本十帖で開催している、街歩きツアーで街を歩いたのですがが、歴史のある、鄙びた、そこがまた一段といい名と思える良い街でした。
あと、宿泊した10月の中旬の土日は偶然にも「たいまつ祭り」という恐ろしい祭りが開催されていました。
毎年の伝統のようなので、こちらもお勧めです。
好きなタイプの部屋を選びたいなら、土日祝日の予約はお早めに。