上野公園でオセロ大会をゲリラ開催してみた話

上野に住んでいますが、毎年春になると上野公園には桜を見ようと(花は見なくても宴会をしようと)たくさんの人がやって来ていました。
コロナ禍となった現在(これを書いているのは2021年8月)では、ちょっと考えられない遙か昔のことのようですが、
とにかく人が多く、公園からあふれ出す人の波が夏フェスの人の比ではなかったのを覚えています。

この人混みの中、ブルーシートの上にオセロ盤を置いておいたらどうなるのか?
という、ろくでもない思い付きから、それをどうしても実証してみたくなって、
2017年春、桜が満開の頃に実際にやってみました。

まず取り掛かったのが、オセロ盤の手配。
1枚や2枚だけを置いておいてもあまり目立たないので、10枚単位で用意したかったのですが、
ミニサイズではなく大きなものを購入するとそこそこ費用が掛かる&使い終わった後に保管場所がないのでどうしようかと。

調べてみると、「日本オセロ連盟」という団体があることが分かりました。
さっそく企画書を作って、正面から連絡をしてみたら、なんと、正規のオセロ盤を無償で貸してくださることになりました。
(その時企画書に記載したのは、みんなでオセロを楽しむこと、オセロの普及を目的とし、参加者から参加料などをいただくことはしない。というもの)

公式のオセロ盤というのは、とても大きく立派なものでした。
(着払いで送っていただき、元払いで送り返す、という流れです)

オセロ連盟の方にお貸りした公式のオセロ盤


そこから、オセロを自由にどうぞ、と記載するための看板、設置するためのブルーシートなどを購入。
カフェ看板は5千円くらいでAmazonで買えました。
ブルーシートは厚手の7m四方の大きいもので、4千円くらいでした。

手書きで準備した「無料でできます」という案内
手作り感がすごい!笑


道具を準備したら次は設置場所の確保です。
このオセロイベントは2017年4月2日(日)に決行したのですが、
当時の事前下調べでは、上野公園の花見には「場所取りの掟」があるというのです。
前日夜にブルーシートを敷きに行き、公園が封鎖となる23時以降に一旦公園を出ます。
そして、始発が動く午前5時前後にまた出かけて、そこから「誰かがいる状態」での場所取りとなります。
朝7~8時前後の間に公園清掃が入り、その時点で誰もいないブルーシートは撤去されるというのがルールなので、
その時間は必ずいるようにすること、など、調べると掟はたくさんでてきました。

前日に仕事を終えビニールシートを敷きに。
23時頃でしたがもう既にたくさんのビニールシートが敷いてありました。
みんな、花見に対する準備に余念がないな、と感想を持ちました。
ここは使用します、という置き書きをして、そのまま一旦帰宅。
翌朝午前5時前頃の公園。
わたしは電車に乗る必要がないので、始発組よりも早く到着することができました。
場所取りをしたのはこの辺り
昨晩敷いておいたビニールシート、ちゃんとそのままありました~

翌朝、始発前に家を出て、前日に敷いたビニールシートを無事発見。
ここからが人がいる状態での場所取りとなります。
ひたすら本を読みながら、寒くないようにして、耐え忍ぶという作業です。笑

1人で運べる荷物に限りがあり家から往復しなくては行けなかったり、トイレに行く時間なども考えると、場所取り要員がもう1人いてくれると助かる、とのことで、
7時頃~会社の後輩君が「オール明け(若い!)なんでシートの上で寝てるだけでいいですか?」とお手伝いしてくれたのが大変助かりました。

場所取りと言う名目で寝ている後輩くん

オセロ盤や看板を運び入れて、9時過ぎには準備を完了させました。

等間隔に並べたオセロ盤
フリーオセロ開催中ですという看板設置

さて、誰か本当にやって来るでしょうか?と思っていたら、最初の来客です。

東京大学大学院生vs通りすがりのただの酔っぱらいという対戦カードが記念すべき初戦となりました。
もちろん2人は初対面です。

信じられないと思うのですが、こちらの対戦は通りすがりの酔っぱらいが制し、
日本最高峰の頭脳がただの酔っぱらいに負ける、という悲しい事態に。
試合後に話を聞いてみると、通りすがりの酔っぱらいはSEをしていて、普段からPCのオセロゲームで鍛えているとのこと。
近くで友人たちと花見をしていて、オセロと見かけて一戦申し込みに来たんだそうです。

白:東大院生、黒:酔っぱらい だったかな。
この配置でもう、このあとどうなるかの展開が想像できます。
徐々に人がやって来ました
気が付いたら満員に!
子どもvs子ども
こちらの子ども同士も初対面。
女子vs女子
子どもvs大人

この少年は、大人を倒したくて倒したくて、果敢に勝負を挑んでは打ち負かしていたのですが、
途中で突如出現したオセロの達人に圧倒的勢いで負けて、悔しいと目に涙を浮かべていました。
勝負の世界は子ども相手にも容赦ないですね。

とんでもない強者あらわる!

突如出現したオセロの達人の圧勝の様子。そこらじゅうの人を圧倒的に倒しまくっていました。
この日、彼に勝負を挑んだ人数はかなり多かったですが、圧勝の全勝で去っていきました。
20代前半の若者でした。

この後は常に満員状態。

10時頃から始めたフリーオセロ、16時くらいまでの間に400名近くの人が参加してくださいました。
対戦する相手はほとんど初対面。
オセロ盤が置いてあると、初対面の人同士で対戦をする、ということが分かって満足でです。
もう1回、もう1回!と大人に勝ちたがる子どもがやって来たり、
意外だったのは、外国人はオセロをやったことがなくてルールを知らないことが多いということ。
オセロって日本発祥のゲームだったんですね。
花見にやって来ていた外国人も多数おもしろがって参加してくれて、言語も様々な国の人たちでしたが、
ルールが分からず、居合わせた日本人たちが、挟んだ駒を裏返す、という作業を丁寧に教えながらオセロをやっていたのが、
オセロは国境を超えるな、と少し感動しました。
途中でオセロの達人のような強すぎる人が現れたり。

後に、ここに参加して下さった方から、この場で対戦した相手方と飲み会をしました!楽しかったです。
このような場をありがとうございました。
と連絡を頂きました。なんだか素敵な出会いに繋がったようで、とても嬉しい連絡でした。

またやりたいな、と思ているうちにコロナ禍となってしまったので、
世の中が落ち着いて、気兼ねなく花見をしていいようになったらまたぜひ開催したいです。

改めまして、日本オセロ連盟様、その節はありがとうございました。

  • URLをコピーしました!