わたしが離島ひとり旅をはじめたきっかけ

離島の旅をしていると、「なぜ離島なんですか?」と、質問されることがしばしばあります。
ひとり旅を始めたきっかけと、離島の旅を始めたきっかけ、
結果、離島ひとり旅になったことについて、ここではご紹介します。

ひとり旅を好んでするようになったのは、働き始めて数年たった頃。
ひとり旅というか、基本ひとり行動。
元々、学生時代からひとりで行動する方が多かった気もしますが、
それが加速することになったのは社会人になってから。
学生時代を過ごした東京からのUターンで地方勤務、かつ、メディア勤務ということもあり、
そもそもUターン就職では地元に同世代の友人も少ない上に、勤務が不規則で(働き始めて数年は全く勤務のペースがつかめずでした)、
その数少ない友人との約束もドタキャンのような状態が重なると、断ることが申し訳なくて、そもそも約束をしなっていきました。
(当時、都内で働く同級生たちが「同期会~」と言っていたのを大変うらやましく思っていました。)

で、休みが取れた時に気ままに近くをひとり行動・ひとり旅していたのですが、働いて数年経ってやっと時間をコントロールできるようになった頃には、もはや人と予定を合わせるのが面倒くさいな、という状態。
そして、ただ我武者羅に働いた時期を超えて仕事にも少し慣れてくると、急に感じるのが退屈感。
地方という土地柄もあったのか、忙しければ忙しいほど、心のどこかで退屈だな、と感じてしまっていた頃で、そこにすっと入ってきたのが離島への旅でした。

ちょうどSNSをみんなが使い始めて少し経った頃で、
当時はみんな「ラーメンなう」みたいな投稿を頻繁にしていました。

そんな頃に休みの日に思い立ったのが、
「そうだお鮨を食べに新潟に行こう。」

「ラーメンなう」の延長のような感覚で、
「ちょっくら鮨食べに新潟に来ました。」と言ったら良い暇つぶしにもネタにもなるなと。
当時は群馬県に住んでいたので、比較的新潟県が近かったこともあるのですが、
調べてみると佐渡島まで日帰りできることも分かり、
どうせなら、「ちょっくら鮨食べに佐渡島に来ました。」の方がおもしろいので、
お鮨を食べに新潟港から佐渡島へ渡りました。

そこで初めて意識したのが「離島」という存在。
ところが、想像と違ったという結果になりました。お鮨は美味しかったし、景色もきれいだったのですが、
初めて訪れた佐渡島があまりに大きく、都会だったことに驚いたのです。
レンタカーを延々と運転してもとても一周はできなそうだし、コンビニもホームセンターもあって、
わたしの地元に比べると遙かに都会だな離島とは、というのが素直な感想。
(ちなみに生まれ育った地元は平成の大合併まで村だったところで、通学にはカモシカや狸に遭遇するような山を登る必要があり、学校まで1時間近く歩いても信号機は1台もなく、徒歩圏内にコンビニはありません。)
そんな話(「なんか、佐渡島、離島だからどんなところかと思っていたら地元より遙かに都会でした」)を、
帰った後に複数人にしたところ、とある方から、
「地図をもう少し北上してみると、粟島って小さな島があると思うよ。そこは大畠さんの思う離島かもしれないね」
と言われて、早速翌月に粟島に向かったことが、その後の離島旅の入り口となりました。

粟島については、改めて書きたいなと思いますが、
予想していたより大きな衝撃を受け続けて、その旅を機に、離島にすっかりハマってしまいました。
帰宅後、調べてみると日本には実にたくさんの離島があることが分かり(有人離島で400以上!)、
少しずつ離島に足を運ぶようになりました。
新たな離島を訪れれば訪れるほど、
「こんなところが本当にあるんだ。」
「全然本土の文化と違う。」
「生活たくましすぎる。」
「こんなの都会では通用しない。」
「…え?」
こんな発見の連続で、
次から次へとまた新たな発見を求めて様々な島へ渡りたい!と思うようになり、
それで今に至ります。
わたしはこの発見を離島あるある、と呼ぶこともあれば、
その島だけの唯一無二のものだと理解することもあります。

離島あるあるや、唯一無二の離島のこと、については、
今後このサイトの「離島ひとり旅」で紹介していく予定です。
(2018年までの旅については著書「離島ひとり旅」でも紹介しています。)

そして離島へひとり旅をしているうちに、
ひとりだからこそ、島の方たちとの交流が進むことにも気が付きました。
何かと不便な離島の旅。
雨が降ってきたから民宿まで車に乗せていこうか?とか親切なお気遣いを頂いたり、
夜の宴会に混ぜてもらったり、島の人しか知らない場所を案内してもらえたり。
グループや連れ立った旅では、あまり声をかけられないのに、
どうしてか、ひとり旅だと寂しそうに見えるのか、かわいそうに見えるのか、
頼んでもいないのに「道案内しましょうか?」と言われたことも。
特に観光客があまり来ないような離島では物珍しさもあるのかもしれませんが、
そういった厚意や嬉しいお節介はありがたく頂戴するようにしています。

たった一度の旅の出会いなのに、離島でのひとり旅の一期一会はとても心に残るもので。
上京の際に連絡を頂き東京で再会した島の方も何名か。

あとは、基本的に行き当たりばったりなことも多く、失敗どころか大失敗の連続なので、
どんな大失敗を起こしても誰にも迷惑がかからないところもひとり旅の魅力。
飲食店の少ない島でお昼にご飯が食べられなくても自分だけなら気にならないし、
やっていると思っていたお店がなくなっていても(離島ではよくあります)、わたしのせいでごめんなさい、と思わなくていいし。海外旅に出た時、ひとりで食事をとると「あー、もっとたくさん人がいたらいろいろ注文してシェアできるのに!」とも思うのですが、離島の場合は名物料理もそこまで多くはないので、食事の時に困ったこともないです。

そんな訳で、離島ひとり旅を今でも続けています。


ちなみに、佐渡島で「ちょっくらお鮨を食べに佐渡島まで来ました。」と投稿した時の写真はこちら。

港の近くの鮨屋にて。
念のために言っておきますが、佐渡島は観光資源も豊富でとても魅力的な離島で、旅行をするにはとても楽しいと思います。なんにもない!を求めていく人には、もったいないほどに充実した離島です。

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