女子離島ひとり旅を10年以上続けて。

2011年頃から離島の旅を始めて、12年近く経ちました。
離島ひとり旅を始めたきっかけについてはこちら。

今でこそ、“ひとり旅”に注目が集まり、ひとり旅特集本なども多く出され、女子ひとり旅をする人も増えましたが、わたしが旅を始めた2011年頃は、まだまだひとり旅はあまりメジャーなものではありませんでした。
その中でも特に、ひとりで離島に行く、しかも、みんなが知っているような石垣島や屋久島などではなく、聞いたこともないような離島にひとりで行くのが好きだと言うと、「え?なにそれ、どこ?何しに行くの?」「楽しいの?」「(友達いないのかな…)←心の声が顔に出てる」と、疑問に思われる、というよりは、明らかに訝しがられることがとても多かったです。実際、話もあまり盛り上がらず「変わってるね~」(話終了!)という感じ。まあ、怪しいですよね、誰も行かないような離島を訪れて、ひたすら歩きまわるの。ちなみに、当時「女子会」というのがとてもよく流行っていて(今もそうかもですが、何というか、今よりもよく話題になっていた気がします。)、女子どもで連れだって温泉に行ったり、鎌倉旅をしたり、そいういう人たちが周りにも多くて、この手の話題は女子ウケも、男子ウケも良かったですね。

また、その頃は、旅先の離島で旅人に会うことは滅多になく、島の人たちから、「島に、何か(よそ者が)いる…」的な視線を向けられることも多かったです。
ちなみに、当時からひとり旅をしている人が一定数存在していたのは、名物宿や有名なゲストハウスのある離島や何かしらのシンボルのある離島。代表的なところで言えば、沖縄の波照間島だったり、鹿児島の与論島だったり。それ以外の離島では、あまり人に会うことはなかった気がします。

印象的だったのは、日本海側のとある離島に旅をした時。
ちょうど今から10年位前でしたが、その小さな離島へは日帰りで行く予定で、行きは高速船で、帰りは高速船にするか、フェリーにするかを決めておらず、満席にもならなそうなので島を散策してから帰りの時間を決めればいいと思い、「行きの乗船券だけ」を購入しました。
その時に、乗船窓口の方から受けたのが、「お泊りですか?宿は決まっていますか?帰りの船は?」という質問。
わたしが何か思い詰めて片道切符で北の島へひとり向かっていくのかとでも思ったのでしょう。
心配してくださってるような聴き方で、元気に島中を歩いて散策しまくって楽しく帰ってくるのが少し恥ずかしいような気にさえなりました。
10年前は、辺境の離島へひとりで旅する女子、しかも南の島ならまだしも、北の島へ…というのはまだまだそんな認識だったのかもしれません。

それが、今や男女問わず、こぞって離島へひとりで出かけていく人たちがいるので時代は変わったものです。
離島の旅、(少しは)流行ってますよね?笑

年々、増えていくのを旅をしながら感じていた気はしますが、2016年~2017年あたりから島で女子旅さんを見かけることがぐっと増えたな、という気も。特に、「カメラ女子」、と言われるような首からカメラをぶら下げて、離島にいる猫の写真を撮っているような女子たちを、瀬戸内をはじめ、多くの島で見かけました。
その頃から、離島ひとり旅が好き、という話をして、「変わってるね~」(話終了!)ということもなく、「何それ、何それ!」と面白がって話を聴いてもらえることが増え、2018年には「離島ひとり旅」という本まで出させていただきました。
そこから先は、一定数の層の中で、小さな離島ブームがずっと続いているイメージです。

せっかくなので、わたしがこれまで「女子離島ひとり旅」「離島ひとり旅」をしている中でのエピソードや小ネタ、困った(?)こと、などをいくつか紹介していくと…

島民の方とのコミュニケーション

先述した、まだ離島を旅する人が少なかった頃は特に、あまり人が訪れないような島を訪れると、島の方たちが「何か、いる…」と自分を意識しているのが分かります。
仕事で訪れた業者ではなく、いかにも旅人丸出しな感じが珍しいのだと思いますが、そんな視線を感じつつ、自分でも分かるほどに、異物が入ってきてしまった感を放っていたります。
ですが、この「何か、いる」というのは、決して悪い感情ではなく、多くの場合、どちらかといえば興味に近いもので、過剰なまでの親切を受けることもあったりします。俗にいうお節介。
お節介なんですが、このお節介がまた何とも気持ちのいいものなんですよね。

◆日本最秘境ともいわれる、鹿児島県トカラ列島の宝島を訪れた時
民宿のご主人が(ひとりで寂しいだろうと)島を案内してくれたり、山頂にある展望台までわたしがレンタルしていた電動自転車を軽トラックの荷台に載せて運んでくれたり、夕飯の時にご一緒してくれたりしました。
民宿の人が客と一緒にご飯を食べることはないと思うのですが、わたしがひとりで訪れることが多いため、話し相手になってくれる人がとても多いです。

◆絶海の孤島とも呼ばれる大東諸島の北大東島を訪れた時、
旅人が余程珍しいのか、自転車で道を走行しているだけでトラクターに乗ったおじいちゃんに「案内するよ!乗りな!(←トラクターに)」と言われたり、路肩に自転車を停めて地図を確認しているだけで道行く車に「迷いましたか!?」と聞かれたり。
業者の方々が民宿の庭で釣った魚をツマミに開催している宴に混ぜてもらったこともあります。

◆北大東島の南にある南大東島
ひょんなことから知り合いになった島の若者たちが、軽トラックの荷台に乗せて夜の島を案内してくれました。

◆奄美の秘境、請島
民宿のご主人が海釣りに誘ってくださり、船で近海まで釣りに。驚くほど釣れる釣れる。
この時わたしは「おじさん」という名の魚を釣り、以降、「離島でおじさんを釣(吊)った」というネット記事のタイトルとしては強力なネタを持つことになります。

ちなみに、以上は「女子だからちょっと贔屓してもらえるんでしょう」みたいに言われることがあるのですが、多分島の人たちのこの親切なお節介たちは、男女隔てなく行われていると思います。
荷物(キャリー)を運ぶのを手伝ってもらったり、というのは女子限定かもしれませんが(わたし、結構力持ちなので、民宿のおじいちゃんが荷物を持ってくれると申し訳ない気持ちにはなります、、。笑。荷物といえば、加計呂麻島のフェリー待合所で大豪雨に遭ったとき、屋根のある待合所から船までが遠くて、わたしのキャリーを抱えて全力で走ってくれた、たまたま居合わせた業者さんなどもいらっしゃいました。ありがとうございました。)、
島民しか知らないような場所を案内してくれたり、ちょっとした話を聞かせてくれたり、島の珍しいものを食べさせてくれたり、釣りに誘ってくれたり、などというのは、男女関係なく「ひとり旅」していると起こるラッキーかなと思います。

ひとりでできないもん!

ひとり旅は、気ままさに加えて、島の方とのコミュニケーションなどいいことづくめのような気がしますが、もちろんひとりゆえ、できないことや不便なこともあります。ひとり旅は好きだけど、こういう時、くそ!と思うことを紹介しておきます。

◆ご飯がたくさん食べられない。
一人飯などでもそうですが、旅先の離島によっては名物料理がたくさんあることがあります。(ないこともあります。笑)
大人数なら少しづつ分け合っていろいろ食べられただろうに、ひとりで食べるために、1~2種類しか食べることができなかった…!ということが時々あります。(もう一回来よう、という後悔を残して帰ってきます。笑)
見知らぬ人たちに声をかけてご飯シェアしませんか?と言いそうになったことはたくさんありますが、実際に言ったことはありません。
なお、民宿でご飯を頼んでいる場合は問題なし。(だいたいの場合、量が多いというのはありますが、気兼ねなく頂くことができます)

◆ひとりで山道や洞窟を行く勇気が必要。
よく、女子ひとり旅をしていると言うと、「怖い思いをしない?危なくない?」と聴かれることがあるのですが、そういった意味では、離島はとても安全だと思います。
あまり夜は出歩きませんが(遊びに行くところがそもそもない)、仮に夜に星を見に行ったりしても、そもそも人口の限られた島で(港には船の発着時必ず駐在さんが来る)、あまり心配になるような事態は起きないと思っていいでしょう。
が、どちらかというと、「あれ、今、何か、いた…?(見えた?)」みたいなことに対する勇気は必要かもしれません。
ちなみに、わたしの場合、これは結構へっちゃらです。
観光地化されていない離島などは、絶景が望める展望台が車が通れない山の中にあったり、洞窟の中に遺跡があったり。
あとは、意外と離島に多いのが戦跡。戦争の際の砲台や要塞が山の中に残っていたりするのですが、それらを訪れるために誰もいない山中を30分程歩いたり、洞窟の中を進んだり。
苦手な人ももちろんいると思うので、ひとり旅で不安、と思ったら迷わずガイドさんなどをお願いするのがいいと思います。
繰り返しますが、わたしはこの手の勇気を一握り兼ね備えているので、暗い山道を30分程歩いたり、洞窟の中を歩いたりというのはひとりでもあまり問題がありません。安心してください、どの離島でも何も見えませんでしたよ。
旅を始めて間もない頃に訪れた南大東島の星野銅という、東洋最大級の鍾乳洞の中をひとりで歩いたときは、あまりの広さと誰もいなさに途中で心細くなり、全部を歩き尽くさないまま戻ってきたことがあります。
他に、対馬の豊砲台跡を訪れた時、作られた当時は世界最大級の主砲を据えていただけあり、かなり広い遺構になっているのですが、電気が付くことを知らず、一寸先が見えない暗闇の戦跡内を歩くのが「さすがに怖えよ」となり戻ってきたのですが、実は電気が付くことを知り、翌日にリベンジしたということがあります。

豊砲台跡



余談ですが、山登りが好きで、よく登山にも行きますが登山にはひとりで行かないことを決めていたり(離島の低山などは別)、
海外についても余程安全ではない地域には、誰かと行くようにしたり、現地でガイドをつけたりという風にしています。

そういう意味でも、離島は女性がひとり旅をするうえでも安心な旅先かなと思います。
自己責任の範囲内で、楽しい旅を続けて頂けたらと思います。


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