離島旅のスケジュールの立て方

かれこれ10年以上、離島の旅を続けていますが、旅の醍醐味の1つがスケジュールを立てている時。
旅をしている時と同じくらい、と言ったら大げさかもしれませんが、離島旅を計画をしている時もとても楽しいです。
一言に離島旅と言っても、日本に400島以上あるので、行く先々によってスケジュールの立て方もいろいろ。
1泊2日の旅から、1週間を超えて島々を渡り歩く旅まで。

飛行機で行くのか、船で行くのか、船で行くならどの港に着くのか…
また、島内ではどのような移動手段にするのか、島内をどういう順で巡っていくのか。

ここでは、わたしの旅のスケジュールの立て方についてご紹介していきます。

①どの島にいくのか決める
どこかで知ったあの風景が見たい、日本で唯一の●●が見たい(離島には日本一の●●、日本唯一の●●が結構たくさんあります。参考:離島にある日本一)、きれいな海が見たい、などなど。
これはもう、どうぞ好きなところに行ってくださいと、それ以上でもそれ以下でもないのですが、
日本には400を超える有人離島があり、旅先も400箇所から選べることになります。
場所によっては日帰りでも十分に行ける島があったり、土日の1泊2日で行けるところもあったり、金曜の夜に船に乗れば翌土曜の朝には島!という具合に寝ている間に着ける島があったり、逆に、到着までに24時間以上かかる島もあれば、1泊しないと帰れない島があったり。なので、自分の休みのスタイルに合わせて行き先を選んでいくこともできるのが離島の旅の魅力の1つ。
また、滞在期間(時間)の目安になるのが島の大きさ。400島、大きさも様々で、東京23区よりも大きな島もあれば、東京ドームより小さい島も。
レンタカーを借りたうえで数日かけないと巡ることができない島も、数時間あれば、島を徒歩で1周歩けてしまう島も、どちらもたくさんあります。
行ってみたい場所、スケジュール的に行ける場所、いろんな可能性で目的の離島を探してみてください。
わたしは、行きたい島を常にいくつか定めていて、休みが取れる時期・期間を元に旅を計画しています。週末に思いついていける近くの島、アクセスのよい小さな島は予定があけば思いつきで、祝日入れた3連休が使えそうなら、このくらいの場所で、GWやシルバーウィークに仕事が入らなそう(もしくはそこで働いた分の振休が取れそう)であれば、少し大きな島へ、1週間使える夏季休暇でしか行けなそうな島、など、常に10カ所くらいの行きたい離島リストを更新しながら生きています。

②島での滞在期間(時間)を決める
どの島に行きたいかを定めたら、どのくらいその島に滞在するかを決めます。1日でも歩けてしまう島、自転車を借りれば1日で十分に巡れる島、レンタカーを借りられれば1日で巡れる島。レンタカーを借りても1日では巡れない島、3日ないと巡れない島(島のいろいろな見どころ見て回るのに3日かかるという意味。もちろん全て回らずに、いくつかのスポットだけに絞れば1日で巡れないということはありません)、
また、島の中を巡るのか島でゆっくり海でも眺めながら過ごしたいのか、によっても滞在時間は変わってきます。
わたしは基本的に島中を巡りたい派なので、島の大きさや地形を見ながら、滞在中にぐるりと一周できる期間を想定して滞在日程を決めています。
地形や起伏にもよりますが、島の周囲が5~6km以下なら徒歩、20kmくらいまでなら自転車(レンタサイクル)、それ以上はレンタカーを借りるという大まかな目安を定めています。(もちろん例外もあって、1周10km以上の島を歩くこともあれば、60km以上ある島を自転車で巡ることもあり、20km以下の島を車で巡ることもあります)

③予約困難なものから予約を始める
基本中の基本ですが、どの離島にどの日程で行くか、ということを決めたら、
まずやることは、“1番予約が困難なもの”を抑えることです。
大きな離島で、大型フェリーや飛行機の運航があったり、島内に宿がたくさんある場合などは、「泊りたい宿に泊まるために、人気の宿は早めの予約を!」というような、他の観光地と同じような注意事項で済むと思いますが、小さな離島の場合は旅の計画の勝手が変わってきます。

交通手段の少ない島…まず真っ先に交通手段を抑える必要がある島もあります。
例えば伊豆諸島の青ヶ島などは、本土から向かうには一度八丈島へ行かないといけませんが、八丈島からの船は欠航率が高く、(冬場は7割欠航するという話も…)確実に日程内で行くためには、ヘリコプターを抑える必要があります。ヘリコプターの座席はわずか9席、もちろん島の方や業者さんも利用するものなので、1ヵ月前の予約開始日には、まるでチケット争奪戦のような戦いになります。
また、青ヶ島のように9席とまではいかなくても、夏のハイシーズンの伊豆諸島や小笠原諸島へ向かう船は混雑することが多く、特に金曜夜発、連休前日夜ル発の夜行フェリー、土曜や祝日朝発のジェット船、夏季や年末のおがさわら丸は、宿より先に埋まることが多いと思います。連休前、夏のハイシーズン、年末年始の南の島などはまずアクセス手段の予約状況を確認してみてください。(予約開始は1ヶ月前や数ヶ月前など、会社によって異なります。)
伊豆諸島への夜行フェリーは、コロナ前までは席を予約せずに甲板で寝袋で雑魚寝する人も多く、芋洗い場のような光景もありました。休日前の夜の竹芝桟橋の大行列が懐かしいです。(現在はそうもいかないと思うので事前確認を。)
余談ですが、瀬戸内の船、特に小豆島や直島、豊島などを含むエリアの船は、瀬戸内国際芸術祭の舞台でもあり、会期中以外にもアートを見学できる場所がたくさんあるなど、注目度も高く、また高松や岡山県内の港から30分程度でアクセスできることもあり、日帰り客も多く、乗客が乗り切れない「積み残し」という自体がしばしば起こります。臨時便を出したり、居合わせた人で水上タクシーを呼ぶなどという対応がありますが、予定通りの船に乗ることができず、帰りの飛行機や新幹線に関わってくるので、混雑が予想される期間は、予め余裕をもってスケジュールを立てることをお勧めします。

宿の少ない島…交通手段より先に宿を予約しなくてはいけない島もあります。島の中に宿が2~3軒のみ、または島唯一の宿。こんな島も少なくありません。わたしが以前に訪れた中だと、トカラ列島の宝島は、民食が4軒しなかく(4軒全てが営業しているかは要確認)、かつ、工事業者の方もそちらに宿泊することになるので、時期によっては観光客の受け入れができないこともあります。日帰りでは訪れることができず(マラソンや検診船などの例外あり)、訪れた翌日の便で帰るか、もしくは次の船を待ち3~4泊するか、という場所なのでまずは宿の確保が先になります。また、伊豆諸島の御蔵島では自然保護のため島内でキャンプが禁止されていて、下船時に宿の予約がないと滞在することができません。予約開始のタイミングを予め確認しておくなど、交通手段を押さえた後に宿泊場所がなかった!ということのないように。
離島には「名物宿」が多く存在します。旅の目的が目当ての名物宿に泊まること、という人も多いです。これは離島に限らず他の旅先でも同様なのでわたしが言うまでもありませんが、「名物宿」のようなところは真っ先に予約が埋まるので、交通手段より先に予約を入れた方が良いです。
ちなみに、離島への旅は海を渡るため、特に天候(と波の状態)に左右されやすいということがあります。島に着いてから帰りの船が出ないということになれば、これはもう仕方のないことで、大騒ぎしてもどうしようもないので、延泊の準備をするしかないのですが、事前に台風が来るなど分かった場合は、まず宿に連絡をして相談するといいと思います。停電が起きるかもしれないし、島に渡れたものの、いつ帰れるか分からない状態になることもあります。(島に予定通り船が来なくなるので、商店やスーパーから品物が消えたりします)。宿の方から予約を辞めるよう連絡があることもありますが、連絡がなくとも、キャンセルしたら申し訳ないかな、と遠慮せずに一度相談してみることをお勧めします。
わたしの過去の旅では、台風が発生したという情報をうけて滞在していた沖縄の波照間島の民宿の方に予定より早い船で帰され、その日に来島予定だった方全てに連絡を取り、来島を断るということもありました。有人離島としては日本最南端に位置し、石垣島からも距離があり台風が訪れると、4日以上船が来ないこともあり、停電が起きると復旧も遅れ民宿の方と少ない食料と懐中電灯で耐え抜かなくてはいけない、という事情もあるようです。(トイレをバケツで流したり、携帯の電波が落ちたりというのも起きたりします)。五島列島福江島では、滞在中に大型台風が直撃してしまい、島内の店は全店閉店、昼間に念のため買い込んでおいたカップ麺をホテルですする、ということもありました。

島内での交通手段を予約する
前述の島での滞在時間の目安に、島内での交通手段について、地形や起伏にもよりますが、島の周囲が5~6km以下なら徒歩、20kmくらいまでなら自転車(レンタサイクル)、それ以上はレンタカーを借りるという大まかな目安を書きましたが、意外に忘れがちなのが、島内の交通手段。
徒歩で巡るなら予約の必要はありませんが、自転車の台数に限りがあったり(特に、小さな島では電動自転車の数が少なく、坂のある島では、自転車が電動か電動じゃないかは結構重要です)、特にレンタカーなどは数が少ない島ではあっという間に予約が埋まってしまうので、ギリギリまで予約を忘れていると、予定通りに回れないなんてことになりかねないのでご注意を。

お目当ての飲食店の営業確認をしておく
離島に行って食べたいものがあったら、事前に確認しておきましょう。Googleで検索して営業時間や営業日が確認できていても、実際は変更されていることも結構多いです。観光地や都市の旅であれば、他にもお店がたくさんあるのでいくらでも予定変更が可能だとおもいますが、飲食店の少ない離島や、はるばる船を乗り継ぎ訪れた離島で食べたいものが食べられないのは悲しいので、事前に電話などで確認しておくことをお勧めします。特にお店の少ない小さな離島の場合は、観光地化された離島とは勝手が違ってきます。
なお、わたしは最近でこそ必ず電話で確認するようにしているのですが、旅を始めた当初は「ウソ…ここまで来たのに…」ということは結構あって、新潟の北部、山形にほど近い村上地方の岩船港(当時住んでいた群馬県から車で5時間以上)から船で訪れた粟島、港で自転車を借りて、坂道で汗をかきながら1時間半程こいで訪れた先の食堂で食べたかったラーメンを「予約がないと作れない」と言われた衝撃はなかなかのものでした。(その時の話はこちら:粟島グルメ
2022年は、島によっては緊急事態宣言が解除されても営業しない飲食店が多くあるところもありました。

④島の巡り方
さて、どの離島に行くかを決め、予約を済ませ、いざ旅行が確定したら、その島をどう巡っていくかを考えることになります。なお、ここから先は、かなりわたしの我流の紹介となります。あくまで、参考に、という程度ですが。
ガイドブックやネットで名所を調べるのは事前に済ませてしまい、旅の間、持ち歩くことはあまりありません。
最近は、旅の予約までを早々に済ませて、具体的にどこに行くかは、直前まで決めないことも多いです。だいたい、行きの船や飛行機の中でパンフレットやガイドを見て、行きたいなというところを頭に刻んでいきます。
もともと行き当たりばったり、という旅も好きなので、①~③でご紹介した「予約しておかないと旅が成立しないもの」を除いては、決めずに行くのが楽しいということもあります。
で、いざ島に着いたら、真っ先にゲットするのが、地図。とにかく地図。島によっては、観光協会にお問い合わせするとパンフレットや地図一式を送ってくれる島も多いです(しかも無料で)。(取り寄せた記憶があるのは、三宅島、対馬。どちらもとても丁寧に送ってくださいました。多分他の離島も同じような対応をしてくれると思います。御礼も込め、必ずその離島へは旅をすることにしています)。
この地図を見ながら、エリアを分け、島内を巡っていきます。地図を見ながらルートを考えるのがとにかく好きで、(地図さえあれば、ガイドブックがなくても全く問題ありません)地図を見ながら発見して、その場で思いついて立ち寄ることも多いです。
慣れてくると、地図を見ればだいたいの所要時間や、どういうルートで巡るのが効率的かというのが分かってくるようになります。

五島列島 福江島、久賀島、奈留島の地図

事前に手にできなくても、地図はだいたいどこの離島でも港や船の中、空港で手に入ります。人口が10人程度の島になると地図は存在しませんが、面積も小さい場合が多く、道路が数本しかないので、地図がなくても島内を1周するのは迷わず行えると思います。

五島列島 上五島の地図

地図に書き込みなどもしています。島の中をまわり尽くさないと気が済まない質なので、もうずっと、冒険攻略クエストのような旅の仕方を続けています。

地図

旅を終えるころには地図がボロボロ。笑

旅が大好きですが、同じくらい、予定を立てている時が好きです。
特に、夏季休暇などを利用して少し長めの旅で島をホッピングして組み合わせていくのが楽しいです。
船にするか飛行機にするか、どの便、何時発にすればどう滞在できて、次の島へはどの港からどの便で行けるか、を各船舶会社のサイトを見ながら書き出して決めていくのが旅の醍醐味のひとつ。
ツアーなどに申し込まず、自身で組み立てていくのでこのようなお手製のスケジュール表ができていきます。
飛行機や電車と違い、さっとスマホなどで確認できないことが多く、特に小さな船舶会社はHPにアクセスしてそこからPDFの時刻表を開く、という作業が発生するため、どの船に乗るかなど決めて書き込んでおき、旅の間は自分で作ったこの表を基に動いていきます。9泊分の宿泊などを抑えるので、いつも1日でもずれたら詰むな…と思っているのですが、今のところ日程間違いなどをしたことはありません。

自作のスケジュール表

予定を立てている時も、旅をしている時も、帰宅して写真を見たりお土産を食べたりする時も楽しめて、旅はお得だなと思います。

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