三宅島は東京都、伊豆諸島の北から6つめの離島。
東京から南に約180kmのところにあります。
アクセスは…
竹芝桟橋から大型の夜行フェリーで約6時間半(22時30分に出発して5時に島着)
※伊豆大島~利島~新島~式根島~神津島とは別の航路
※ジェット船はありません
調布空港からの飛行機(プロペラ機)で約50分(1日3往復便)
わたしは飛行機を利用して訪れました。
旅情をそそるという意味では船旅で訪れるのもなかなか良いですが、
週末を利用しての旅の場合は飛行機だとかなり気軽に旅ができます。
島での滞在を最大限にしたいなら、往路が金曜夜発の夜行フェリー、復路が飛行機というのが一番長く島にいられるプランです。
島の周囲は38.3km、面積は55.4㎢(山手線内と同じ面積。レンタカーは借りた方がおすすめです)
人口約2500人。
過去500年の間に13回の噴火を経験していて、
1983年の噴火では、阿古地区にあった観光名所(大変賑わっていたようです)の温泉郷が溶岩にのみこまれるなどの壊滅的な被害を受け、
2000年の雄山の噴火では長期にわたる全島避難を経験し、避難解除で島民が島に戻ることができたのは2005年のこと。(4年5ヶ月に及ぶ島外避難だったため、生活基盤を本土や他の伊豆諸島へ移し、戻らなかった人も多くいたそうです。)
歴史から噴火の厳しさを感じながらも、
三宅島の雄大な自然と、
噴火の爪痕の迫力を見ることができます(他にはないような真っ黒い大地が広がるため、まるで火星にでも来たような気分が味わえます)。
現在の雄山の噴火警戒レベルはレベル1。(2015年に2→1に引き下げ)。
噴火のリスクは低くなっていますが、もし火山活動あった場合は、島の方の指示に従いましょう。
三宅小中学校の北側(ヘリポートの近く)には、避難施設があるのでそちらに避難することもできるそうです。
さらに、現在はこれまで立ち入り禁止だった雄山も条件付きですが入山計画が進むなど、観光も復興してきています。
(新型コロナウイルスの影響で2021年は実施が延期されてしまいましたが、ガイド付き、人数制限ありで雄山の山頂付近まで登山するツアーもあるようです。ヘルメットをかぶって行くという話です。)
火山がある離島としては、伊豆大島と少し似ているのですが、
よりマニアックさを求めたい人には三宅島をおすすめしたいです。
雄山への入山を三宅島の観光協会に問い合わせたら、入山はコロナの影響でガイド付きのツアーを中止としているそうで叶わなかったのですが、「宜しければパンフレットを送ります」と、無料でこんなにたくさんのパンフレットを頂きました。
噴火の影響もあり、伊豆諸島の他の島に比べると観光呼び込みが大変なのかなと思いつつも(その分、人の手が入らない自然を感じたり、噴火の爪痕を生々しく見学できたり、あまり混雑していないので景色をひとり占めできたり、などなど、訪れる身としては興味深いこと、ありがたいことがたくさんあるのですが)、なんと丁寧な対応!すごいサービス精神!
これにはかなり助けられました。
観光協会さんありがとうございました!
ここでは、2021年7月の訪問の記録をご紹介していきます。
2021年7月に訪問。調布空港から飛行機を利用しました。わずか19席のプロペラ機。
ドイツのドルニエ機です。
プロペラ機怖い、という人もいますが、ジェット機ともヘリコプターとも違ってわたしはとても好きです。
大久保浜。砂浜ではなく黒い石の浜です。
真っ黒な浜が長く続いていて、見応えがあります。
大久保浜は火山島の三宅島特有の真っ黒な玉砂利の海岸。
石が波で洗われて砂浜に打ち付ける波の音とは全く違う独特の音がします。
大久保浜にはキャンプ場も。利用には申請が必要ですが炊事場やシャワーなどがあって便利そうでした。
利用者もそこそこいました。
テントなどの荷物の持ち込みが大変そうで離島でキャンプをしたことはないですが、いつかチャレンジしてみたいなと思っています。
赤砂利公園のベンチ。
三宅島には海に向かったベンチが何カ所かあります。
七島展望台から見た雄山。
とても雄大な景観です。
標高775m、火山活動度ランクAの活火山、常時観測対象火山に指定。
直近では、1962年、1983年、2000年に大きな噴火で20年周期で起こっています。
三宅島の島内には噴火の爪痕が見られる場所が多く存在しています。
七島展望台からは、伊豆諸島の島々も広く見渡せます。
それぞれの島がどの方向にあって、何キロ離れているのかの標識。
この七島展望台からは、晴れているときには伊豆大島から八丈島までが見渡せるのだとか。
冨賀浜の海へ続く階段。
めがね岩。めがねの形に見えることから、ですが、めがねと言うよりサングラス…?
めがね岩から見える大野原島(無人島)方面
旧阿古小中学校。1983年の噴火の痕がそのままに残っています。
裏には溶岩流に飲み込まれた集落跡に整備した遊歩道も。
遊歩道から見える校舎跡。
新鼻新山(にっぱなしんざん)。1983年の噴火で一夜でできたと言われる丘。
スコリア丘で歩くとサクサクしています。
サタドー岬。島の東側にある海抜20mの断崖の岬にあるのがサタドー岬灯台。
ひょうたん山。
1940年の噴火で、わずか22時間で作られたそう。
当初は2つ並んでひょうたん型だったのが、海で削られて今はこちら1つに。
G2cafe。
窓際の席でのんびりするのがよさそう。
ちなみにG2(ジーツー)という店の名前は店主の辻さん(つじさん)から。
土屋食品の島のり弁。ほかほかご飯に島のりと醤油をかけたもの。
とても美味しかった。
滞在中に宿泊した民宿いけ吉。
ご飯が美味しいと評判だったのでこちらにしましたが本当に美味しかったです。
家族三世代で営んでいましたが、とても気持ちのいい宿でした。
民宿いけ吉のご飯。こちらにお鮨がつきます。
民宿いけ吉のご主人は鮨職人。鮨好きには堪らない宿。
夕飯のお鮨、嬉しかった。2日目には夕飯に海鮮丼がつきました。
三宅島のお土産、牛乳せんべいの岡太楼本舗。
牛乳せんべいは島内の商店などでも購入できますが、こちらで製造・販売しています。
お店の前に牛の像。
2000年の噴火の前までは雄山の中腹に牧場があって、多くの牛がいたそうですが(三宅島バターは人気だったらしいです。)、噴火後は牛がいなくなってしまい、牛乳を島外から仕入れて牛乳せんべいを作っているそうです。
岡太楼本舗の店内。
店内では焼きたての牛乳せんべいを試食させてくれることがあります。
雄山の七島展望台の三宅村営牧場跡地。
2000年の噴火で被災してなくなった牛と(噴火で亡くなった牛の白骨化した亡骸がそこら中にあったそうです)、生き延びて全島避難の際に本州に送られた牛もいて、今は一匹もいないそうですが、大正時代には3000頭もいたことがあったみたいです。
もちろんですが、三宅島にはコンビニはありません。
大きなスーパーはなく、商店が複数あります。
商店と言っても、肉類・魚類・野菜~生活雑貨・ペット用品まで生活に必要なものは大体何でもそろいます。
離島のスーパーと、海外のスーパーがとても好きで、どんなものが売っているのだろうと、あるとつい入ってしまいます。
新八屋。宿泊していた民宿いけ吉から近いので、滞在中はアイスを買ったり飲み物を買ったりと何度かお世話になりました。
スーパーマーケット正大(せいだい)。
最初お店だと気づきませんでした。味のある離島らしい店構え。
お弁当やお惣菜も売っています。
離島のスーパーや商店では、お土産類が売っていることが多いです。
レンタカーを借りた三宅島交通株式会社。
ご主人がタクシーの運転手もしていて、空港までを送迎して頂きました。
奥さんは埼玉県の出身らしく、地元が群馬県だと伝えたら、北関東トークで盛り上がりました。
レンタカー屋さんも商店を営まれていて、食品、日用雑貨、衣料品、道具類を扱っていました。
伊豆大島~神津島の航路の離島に比べて観光客が少なく、とても静かな島でした。
噴火を繰り返している島なので、噴火の爪痕が生々しく、他では見られない迫力を感じました。
噴火にまつわるスポットはこちらで紹介しています。