粟島で見つけた離島にひとつだけある信号機

「車がほとんど走っていないので本当は必要ないのに、小さな離島にも信号機が1つあります。さて、どこにあるでしょうか?」
これは、もういろんなところで何度も離島クイズとして出題してきた鉄板ネタ。

知っている人の方が多いと思いますが、
答えは学校の前です。
子どもの教育のために設置されているのです。

わたしがはじめて粟島を訪れたのはもう10年以上前。
佐渡島を訪れた少し後に粟島の存在を知って、すぐに訪れることになるのですが、
粟島への行き方を調べている時に、
カーフェリーで車の持ち込みもできて、港ですぐにレンタカーを借りることができる佐渡島と違い、
粟島へは許可車両以外の持ち込みは禁止。(島内に交通量が増えるのを避けるため)
島内には、島を一周している道路(約20㎞)と、北と南を結ぶ道路のみ。
信号が必要ないほど道路も少ないし、そもそも車がほとんど走っていない。
役場でレンタサイクルを貸してくれるのとコミュニティバスが交通手段。
(自転車の持ち込みはOK)

そんな状態でも信号があることがあえて特筆されているので調べてみると、
子どもの学習のために学校の前に設置されているのだとか。
人口350人程度の島では高校がなく、(多くの場合小中学校合同。合同とすることで教職員の数の削減にも)
高校進学のため、多くの子どもたちが中学校卒業と同時に本土へ下宿して進学するのですが、
その際、信号を一度も見たことがないと危ないので、教育のために学校の前に信号を設置しています。
これまでに何度か、信号機が1機だけ設置されている島を訪れましたが、いずれも場所は学校の前。
さらに、人口が100人を切ってくるような島では、学校の前にすら信号がなくなり、
徒歩で歩ききれてしまい、車すら存在しない島もあります。
その場合、交通課の方が学校を訪問し、交通安全教室が開かれたりするそうです。

【粟島 DATA】
粟島浦村
周囲 23km
面積 9.86 km²
人口 約350人

アクセス:新潟県村上市にある岩船港から大型フェリーで1時間25分または高速船で55分

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