離島を旅する会社員トラベラーの極意

2011年頃から離島ひとり旅を始めて、12年近く経ちました。
旅を始めたばかりの頃は、休みを定めて、しっかり計画を立てて、よく調べてから向かう。というのが当たり前でしたが、年数を重ねると、休みあらば旅、ちょっとそこまで、くらいの感覚で旅をするようになってきます。

フルタイム勤務の会社員で、どちらかと言えば勤務時間は長い方で、休日に仕事が入ることもありその予定が見えてくるのは直前になってから、などやや不規則気味。旅をするにはハンデのある業界にいるなとは思っています。
国内の離島を飛び回っているというと、え?そんな時間あるの?と驚かれることも多いですが、離島の旅だからこそ(?)、会社員の弾丸旅が可能な部分もいくらかあります。

ここでは、そんな会社員トラベラーの極意(?)や、休日に弾丸で計画できる離島の旅などをご紹介します。

旅の準備は即座に

まず、前提として…
思い立ったら準備は“即”!これは旅慣れするほどに早くなるというか、回数を重ねれば重ねるほど訓練されていくので、「よし!明日旅に出よう!」と思い立って、すぐに用意できる瞬発力は経験を積んで身に着けておきたいところ。
国内旅行であれば、本当に必要なものはそんなに多くないので、30分もかからず準備をすることも可能だと思います。
わたしは…、
・財布
・携帯と充電器
・パソコン
(ここまでは通勤鞄に入ってるの)
・コンタクト
・カメラ(充電セット、替えのバッテリー)
・カッパ(時に折り畳み傘)
・必要分の着替え(泊数によりホテルのランドリーやコインランドリーも利用)
・酔い止め(船に乗るときなど)
・本(たとえ読まなくても鞄には入れていく)
・日焼け止め(春~残暑くらいまでは必須)
・洗顔類他(ホテル利用の際はほとんどが揃うので持たないけれど、離島で民宿利用の際は、歯ブラシ~シャンプーまで一式持つ。トラベル用品などのストックが常にあると便利。)

これらをサッと鞄に詰め込めれば、よし!明日旅に出る!というような、思い立ったが吉日旅が余裕になってきます。
ちなみにわたしの場合、旅鞄は複数あり、大きめキャリー(長期旅行のため、というよりは、お土産をたくさん買いたい時などに便利)、小さめキャリー(機内持ち込み、機動力高い)、手持ち大きめ鞄、バックパック(背負うと重いことに気づいてしまい、体力が衰えた最近は山登り以外ではあまり使わない)あたりを使い分けています。
慣れてくると、旅の準備にもいろいろ自分流のコツが出てくると思います。

行き先は常にストックを

肝心の旅先。場所によっては、1ヵ月前の予約でも遅いこともあり、そのような人気の場所(もしくは、交通手段や宿に収容能力に限度がある場所)へ向かうときは、早めに予約をするのに越したことはないので、予め予定を立ててほしいのですが、思い立って旅に出よう!という時に役に立つのが「旅先リスト」。
行きたい場所を、リスト化して常に複数ストックしておきます。その際、交通手段・所要時間などを一緒に覚えておくと、土日、3連休にフルで休めることが分かった時などに、弾丸旅を組みやすくなります。
なお、日本には約416島の有人離島がありますが、(無人島を入れれば6852→最近倍増しました笑。という膨大な数ですが、基本的に定期船が出ているのは有人離島のみなので、無人島を訪れるのはほぼ不可能です)そのうち、観光名所として人気があるのは、4分の1ほど?むしろそんなにあるかな?と思います。
すなわち、残りの島はそんなに観光客が訪れるような場所ではないので、思い立った時に計画をしても行くことができるのが、離島旅の魅力のひとつです。(混雑しなそうな離島をリストに複数入れておくのを推奨。もちろん行きたい島が人気の島の場合は、早めに予定を立てて行けばいいだけのことです)

実際に、今年2023年のゴールデンウイークに、長崎の離島・対馬を訪れましたが、宿泊した民宿はどこも客はわたしひとり、ホテルも空室多めという状態でした。宿泊していた民宿で、ひとりで朝食を頂きながら見たテレビで、京都のオーバーツーリズムが大変なことになっていて、バスに乗るだけで数時間待ちというニュースをを放送していて、日本はまだまだ広いな、と思ったものです。

退社から旅、旅から出社(上級者編)

個人的な話ですが、昨年から群馬県高崎市に移住をしまして、会社のある東京へ通勤しています。
旅好きとしては、いかに羽田空港や東京駅に近いところに住んでいるかによって、旅の発着の快適さが変わってくると思うのですが、
仮に羽田空港や東京駅の近くに住んでいても、一部の離島を訪れるときに、最寄りの本土からの船や飛行機の一便に間に合わないことがあります。そのような時、よく最寄りの本土に前のりをしていたのですが、移住後は、離島に行く時のほとんどを、会社帰りのまま羽田空港(または東京駅)に行き、目的地の離島への乗り継ぎ地(空港または港)まで行ってしまう、という方法をとっています。
飛行機の場合、羽田発19時30分以降の便などに滑り込み、船のアクセスの場合は港の近くに宿泊し(夜行船があればそのまま夜行便に乗るという選択肢も)、飛行機のアクセスの場合は空港近くのホテルに宿泊などして、翌朝の一便で訪れるという退社のまま旅に出るというスタイルです。
また、最近では、旅の帰りの最終便に乗ると、自宅のある群馬県まで帰れないことがあるので、旅先から出社することも増えました。
わたしの場合、10時出社が基本ですが、新幹線の場合、朝9時30分頃までに東京駅に着ける場所は多く、また羽田空港に朝9時頃に到着する便も意外に多くあります。(なお、荷物は機内持ち込み、羽田空港からモノレールで浜松町→山手線で有楽町→会社までタクシーに乗る、というのが実験の結果得た効率のいいパターン)

退社のまま旅に出て、旅先から出社するというスタイルですが、慣れてくるとそこまで負担もなく、
これをうまく利用すると、週末旅の幅がぐっと広がります。

参考までに過去のエクストリーム出退勤をご紹介すると、
・退社の足で伊豆諸島各島へ(竹芝桟橋発22時30分/23時のフェリーに乗れば土曜の朝には島に着いています。このルートで訪れることができるのは、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島。八丈島の場合は羽田から飛行機があり、飛行機利用のことが多い)
・退社の足で羽田から✈鹿児島空港へ行き、鹿児島港から24時出発の🛥フェリーとしまで吐噶喇列島へ(翌朝~昼着)
・退社の足で羽田から✈鹿児島空港へ行き、空港近辺に1泊(マジで何もない)、翌朝の飛行機✈で種子島へ
・退社の足で羽田から✈福岡空港へ行き、空港近辺に1泊、翌朝の飛行機✈で五島列島福江島へ
・退社の足で羽田から✈長崎空港へ行き、長崎港近辺に1泊、翌早朝の船🛥で五島列島中通島へ
・退社の足で羽田から✈福岡空港へ行き、博多港から深夜フェリー🛥に乗り対馬へ(早朝着)

離島ではないですが、富山県でホタルイカ漁船に乗ってからの出社(実際は悪天候で船が出ず)、
退社の足で成田空港から✈台湾に行き、週末を台湾で過ごし、週明けの深夜の便✈で台湾を出発、成田空港から出社というのも全く問題なしでした。(台湾の場合、羽田→松山空港便もあるので、こちらも便利)

最後に、疲れを貯めずに週末弾丸旅するコツは、可能な限りしっかり睡眠をとること。
例えば、深夜到着便のため、電車はもう動いていないから空港や港で仮眠をとろうなどと考えずに、タクシーでホテルに向かってちゃんと寝る、など。
平日働いている会社員のみなさんは旅先でもしっかり休みましょう。夏季休暇を利用した長距離移動の長旅でも、寝る時間をちゃんと作れば疲れずに帰ってくることができます。

また、時々、旅を生業にして、取材旅などで各地を回る人をうらやましいなと思うこともあるのですが、取材の機会を頂き、いざ自分が実際に取材旅に出てみると、普段の旅とは違う、とても丁寧なおもてなしを受けることが多いことに驚かされます。取材だから聞けた話、というのも大いにありますし、その心遣いも本当にとても嬉しいですが、旅で訪れるより、料理の具が大きかったり、盛り付けのきれいなご飯を目にすると、「ありがとうございます、できる限りいい写真を撮らせていただきますね!」と張り切ってみたりもするのですが(文章を書くのも好き、離島の魅力を伝えられることは本望なので、書き仕事を頂けることはもちろん大変ありがたいです)、そういった特別なおもてなしをされることよりも、ちょっと雑な扱いを受けたり、時にアクシデントに見舞われたり、嘘だろ?と思うことが次々に起きたりする旅の方が、濃い人的には、よりおもしろいと思っているので、これからも本業の合間を縫って、あちこち旅に出ていきたいなと思っています。

会社員トラベラーのみなさんも、良い旅を!

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