五島列島、久賀島のすぐ東側の隣にある蕨小島(わらびこじま)。
周囲1.8km、面積0.03k㎡、人口約6名。日本で最も小さな有人離島のひとつで、島の端から端までは5分もかからずに歩けてしまいます。
定期船の運航はなく、島民は自家用船で久賀島などへ買い物に行き、子供はスクールボートで久賀島の学校へ通学しています。(久賀島の蕨集落からは対岸にすぐ見える距離)
島民は共同でハマチ漁をして生計を立てているそうです。
わたしが訪れたのは2022年11月。
蕨小島へのアクセス方法を事前に調べたり、五島列島出身の方に聞いてみたりしたのですが、そもそも定期航路がないので「漁師さんに頼むしか…」とうようなアドバイスを頂いただけで、方法は分からず。とりあえず、現地に行ってみるか、と出発しました。
この時の五島列島旅は、東側から西側へと島を横断していくスタイルで、蕨小島の東隣の奈留島に辿り着いた時に海上タクシーがあることが分かり、電話をしてみると、ちょうど空き時間があるというので、海上タクシーで向かいました。
奈留島から西隣の久賀島へ行くのは直航路がなく、一度福江島に行き船を乗り継ぐ必要があり、所要1時間半、料金は合計で1600円程度。船の本数も限られていて、接続がいいわけでもないので、予定していた船は、奈留島→福江島が16時40分着、乗り継ぐ福江島→久賀島の船は16時45分発。僅か5分で乗り換えることができるのか謎でしたが、一応船舶会社に電話をすると、「同じ桟橋だから、多分大丈夫じゃないかな」という回答だったので、船を降りたら「乗ります!」と叫びながら走る予定で行程を組みました。
しかし、海上タクシーを使えば、料金は1万円かかりますが、僅か5分の乗り継ぎ時間を気にすることなく、約30分で奈留島-久賀島間の移動が叶い、かつ、途中で蕨小島に立ち寄ることができるので、迷わずこちらを選択しました。
島と島の距離が近く、多数の島があるエリアでは海上タクシーは本当に便利(無敵の域)。ちなみに海上タクシーと呼ぶ地域と、水上タクシーと呼ぶ地域があり、五島列島は海上タクシーでした。
最大搭載人数は52名とのこと。贅沢にも独り占めさせていただきました。通常は、奈留島に宿泊している人が久賀島の教会ツアーなどに行く時に団体で利用しているものです。
広い船内。以前、「無人島へ渡りたくて漁師に頼んで漁船を出してもらったら5万円だった」という人の話も聞いたことがあるので、これで1万円は安いかな、と思います。
蕨小島は久賀島からは対岸によく見えるのですが、奈留島から向かったのでしばらく航行して見えてきた時はその小ささに少し感動しました。有人離島としては日本最小クラスの、0.03㎢。とてもコンパクト。
港とは呼べない規模ですが、蕨小島の船着き場?で下船しました。
わたしを降ろすと、海上タクシーの船長は「向こうで待ってるから、迎えが必要になったら手を挙げて」と告げ、島から少し離れたところに船を停めて待ってくれました。
いざ、島内の散策へ。船着き場前の建物で、島民の方が漁の作業をされていました。
本当に5分もかからずで島の反対側に到着してしまいました。急げば30秒ほどで着けそうです。日本には本当にいろんな島があるんだなとしみじみ。
透明度が高くきれいな海でした。島民の方にとっては海が裏庭みたいなものでしょうか。
当初は30分くらい立ち寄って、と伝えていたのですが、本当に数分で歩けてしまったので、滞在10分弱で海上タクシーに手を挙げるとまた船着き場までやって来てくれました。
蕨小島から本当に目と鼻の先ほどの距離にある久賀島の蕨の港に到着しました。客船の発着はなく、漁港となっています。
当初は、定期船で向かう予定だったため、定期船の到着する田ノ浦港でレンタカーを予約していたのですが、事情を話したら蕨の港までレンタカー屋さんが迎えに来てくださいました。
この、久賀島の蕨集落もとても興味深いところだったのですが、それはまた、別の記事で。