鹿児島空港で前泊したときのこぼれ話。

2022年5月に種子島を旅した時の、鹿児島でのこぼれ話。

種子島へのアクセスは、羽田空港→鹿児島空港→種子島空港の乗り継ぎ。
(鹿児島港から船でも行けますが、飛行機の方がもちろん早いです)
鹿児島→種子島は朝9時の便がありますが、羽田から向かったのでは乗ることができず、鹿児島空港近辺に1泊して翌朝の便に乗ることにして、金曜日の仕事帰りのまま最終便で鹿児島へ向かいました。
しかし、羽田空港を出発する際、大雨に見舞われ、飛行機の出発が大幅に遅れることに。
羽田で出発の案内を待つ間、真っ先に予約していた宿へ到着が大幅に遅れそうだと連絡を入れました。というのも、数年前に同じく鹿児島の離島を旅した際、飛行機が天候で遅れ、チェックイン予定時間よりも2時間遅れて川内駅近くの宿に到着すると、なんと、施錠されていて入れない!と言うことがあったからです。その夜は夕立のように雨も強く、駆け込んだ川内駅前の東横インに空きを尋ねると既に本日は満室とのこと。困ってしまい、どこか泊まれそうなところはありませんか?と事情を伝えると、フロントのスタッフさんが近くの宿に電話をかけ、空き状況を聞いてくれました。また、たまたまその場に居合わせてその様子を見ていた出張中の上司部下コンビが、「おい、宿探してやれ」と一緒に空きを探してくれて。結局、数軒あたって少し駅から離れた場所に宿を見つけられた、ということがありました。地方のビジネス旅館はこういうものか、と大変勉強になった出来事です。
今回の種子島旅でも、地方のビジネス旅館風の宿を予約していたため、飛行機の遅れで過去の出来事が思い出され、またもや施錠されてしまったらどうしようとすぐに連絡を入れました。
電話に出たのは声の様子からおばあちゃんのようで「待ってるからねえ、気をつけてねえ。他にもお客さんが同じ飛行機に乗っていると思うんだけど、空港まで迎えに行けたらいいんだけど…着いたら教えてね」という会話をして電話を切り、出発を待ちました。
鹿児島空港周りには飲食店などが少なく(少なくというか、ほとんど何もない…)、夕食にと目星をつけておいたお店の閉店時間よりも飛行機到着時刻の方が遅れていくのを残念な気持ちでやり過ごしながら、2時間遅れでようやく到着。
何もないと思っていたけれど予想よりも何もない…。空港のお店も全部閉店。
コンビニが遠くに見えたけれど、そこまでの往復も徒歩なので断念。
また、遅れます、と予告した時刻からさらに到着が遅れていたため、宿に電話をすると、「待っていられなくてごめんね。鍵を置いておくからね」というので、歩いて宿へと向かうことに。大通り沿いではありますが、暗く本当に何もない道を歩くこと15分ほど(これが結構長い…)で宿へ到着。
まさに地方のビジネス旅館!という雰囲気の宿は既に電気が暗くなっていて、薄明かりの着いたフロントには、紙と部屋の鍵が置いてありました。
紙には予約時に入力した氏名、電話番号、住所が書いてあり個人情報ダダ漏れで、しかも手書きメモで「女性ひとり」とまで書いてありました。笑
おいおい、と思いながら部屋まで階段を登る館内がこれまたホラー。消灯しているせいなのか、ゾンビが出てくるんじゃないか、と思ってしまうほど。そしてそれを裏切らない部屋。笑

とはいえ、疲れていたし、場所が変わると眠れないタイプでもないので、ぐっすり。笑
翌朝、朝食を付けていたのでホテル1階の食堂に行くと、おばあちゃんが「昨日はごめんね、ごめんね」と先に消灯していたことをとにかく謝り続けるので、逆にこちらが申し訳ない気持ちになってきて「あ、いやいや、そんな気にしないでくださいよ」とお伝えして世間話を。
これがまた、ホテルの女主人というよりは故郷のおばあちゃんというか、とても感じのいい方で、
出された朝食はどんぶり飯、白米もりもりだったのですが、(苦笑)、残すのがもったいないような、申し訳ないような気がして、なんだか頑張って食べきってしまいました。笑。

朝の便に乗るために鹿児島空港まではまた徒歩15分をかけて歩くつもりだったのですが、「ボロい車なんだけどねえ」と、おばあちゃんが送ってくれました。
お礼を言って、分かれて「ああ、お腹いっぱい。なんで普段朝ごはんなんで食べないのに、旅先でどんぶり一杯のご飯を食べてるんだろう?」なんて思いながら、種子島へ。

無事に到着した種子島空港で、その宿からの着信を確認。
なんか嫌な予感を胸に、電話を折り返すと、おばあちゃんが、「服を忘れています」とのこと。「なんか白いやつで…」と言われ、あー、白い服白い服…インナーのTシャツかな?それ、大丈夫です2,000円くらいの、中に着るやつなんで、と頭の中で考えが巡り…、「いいですいいです、捨ててください」とお伝えすると。「なんかまだ着られるからもったいないよねえ」と、帰りの飛行機の乗り継ぎに合わせてカウンターまで持ってきてくれるとのこと。帰りの経路もまた、種子島→鹿児島空港→羽田と、鹿児島空港での乗り継ぎはあるのですが、さすがにわざわざ持ってきてもらうのも申し訳ないと思いながら、おばあちゃんが「いいよいいよ」とおっしゃるので、強く断るのも申し訳なく、提案をありがたくお受けすることに。帰りの飛行機に乗る前にまた連絡を取り合いましょう、と帰りの予定便の日時を伝え、そこで一旦電話は終了。

その日の夜、種子島の宿で荷物を確認したところ、宿に置いてきたはずの白いTシャツはカバンに入ってました。忘れ物も確認したはずだし、もしかしておばあちゃんの勘違いなのでは?なんて思いながら念のためもう一度荷物を確認すると、宿に忘れてきたはDOPOING PANDAのTシャツということが分かりました。笑
その少し前に再結成ライブをしていたバンドのTシャツで、表にパンダがデザインされているもの。白いかな?茶色とクリーム色の間くらいの色の気が。まあ、世の中のことを大雑把に4分割くらいにすれば白いかもしれません。

そして、旅の帰り。種子島空港に到着すると、どうやら天候の都合で飛行機が大幅に遅れているとのこと。接続時間に余裕がなく、結局おばあちゃんからTシャツを受け取ることはできませんでした。(帰りの飛行機のエピソードはこちら)それでも、なんとかそのTシャツをわたしに届けようと、カウンターに預けようとしてくれたりで、(乗り継ぎがかなり駆け足となりこれも断念)、そのTシャツの価値が分かっていてのことではなく、本当にただの親切心からというのが、申し訳なくもとても嬉しく、「どうしようねえ」とういおばあちゃんに「着払いでおくってもらえませんか?」と着払いで送って頂きました。旅から戻ってもう5か月経ちますが、おかげさまでたまに着ています。

なんか微妙な宿に泊まっちゃったかな?という入り口から、また鹿児島空港に前乗りすることがあれば、ぜひこの宿に泊まって、朝から山盛りご飯を頂こう、というところまでは変化がありました。笑

最終便が遅れて到着した鹿児島空港

写真がブレてる感じが当日の疲れを感じさせますね。空港の敷地を出て急に暗くなる大通り沿いを15分ほど歩きました。

泊ったビジネスホテル

漂う地方のビジネス旅館臭。個人的には逆にテンションの上がる外観です。ちなみにこの手のホテルは22時以降はチェックインを受け付けないことがあるので(受け付けないというか帰ってしまっているか寝てしまっているか)、大手ビジネスホテルに慣れている人は要注意。

ホテルの玄関

ガラスに縦書きの「ビジネスホテル」がとてもいい感じ。カギと駄々洩れの個人情報が置いてありました。笑

館内

消灯後だったのか、これは若干ホラーでした。笑

室内

食事を何も調達できなかったのでひもじい夜にはなりましたが、どんな場所でも眠れないことがないので、あまり細かいことは気になりません。逆に、おお、いっちょ前にWifiが飛んでいる!と感動しました。

宿の食堂

夜は居酒屋になっているような作りでした。

宿の食堂
宿の朝食

普段朝食を食べないので、この昭和のお父さん茶碗(普通のお茶碗より大きいやつ)のご飯はかなり気合がいりました。なんかでも、食べなくちゃ!と思わせるほどには素敵なおばあちゃんだったんですよね。おばあちゃんの家に帰省して、朝ごはん貰っているような時間でした。いろいろ親切にしてくださってありがとうございました。また、行きます。

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